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今更ながら観ました。 オウム真理教のサリン事件から一年後の教団を取材したドキュメンタリーです。 非常に監督の主張のある、筋の通ったドキュメンタリーだと思いました。 (時々ベタな映像表現と音楽が気になりますが。) この映画の主題は、おそらく社会から逸脱するという事についてだと思います。 オウム真理教の信者は、出家=社会からの逸脱をすることによって、現世からの苦しみ、罪悪から自分が逃れるために修行に励みます。その彼らにとって、周辺住民の声も、マスメディアの声も、警察の声も届きはしません。空回りする周辺の人々の声を克明にカメラは捉えています。 当時マスメディアで大きく取り上げられていた事件であるだけに、僕もリアルタイムでニュース番組を見たりしていましたが,そこで議論されていることはどこか空虚な印象をもったのを覚えています。 おそらく、それは社会から逸脱した人たちに対して、社会の中にいる人が、社会の中の論理で訴えかけていたからなのだと思います。 この映画が良くできていると思うのは、オウム真理教という社会から逸脱した人たちを題材にする事によって、逸脱者を断じると共に、逸脱していない者たちの立ち位置を問い直している点にあります。 つまり、社会からの逸脱者が現れた時に、社会の中にいる人は何が可能なのかということを問うているのだと思います。 ただ最後に、森監督が荒木広報部長に「出家する本人は苦しみから逃れられるが、家族はずっとその苦しみを背負って生きていかなければならない。この問題は昔から議論されている事ですよね」と問いかけ、荒木さんは考えあぐねてしまう、という映像が流れます。 これは、社会からの逸脱行為というものの問題点を指摘していますが、おそらく森監督は社会からの逸脱とは単なるエゴではないのか、と逸脱者自身を強く批判しているのだろうと思います。 この批判が社会を逸脱した者に対して最も有効な批判のように僕には思えました。 『A2』も近々観る予定です。 国策操作
佐藤優の本を初めて読みました。 衝撃の事実が多すぎました。外務省って怪文書を流したりしてるんだ、とか、ロシア人の交友関係って濃いんだ、とか、検察の活動ってこんななんだ、とか、北方領土の扱いってこうなってんだって、初めて分かりました。 大まかな本の内容としては、 対露政策の過程でとられた国家の政策が、時代の転換によって捜査対象になってしまう過程と意味を解き明かしたものです。 この本の難しいところは、川上弘美が解説で書いているように、必ずしも検察の立場、もしくは国家の構造転換が悪いとは言えない点だと思います。 佐藤さんもたぶんその点は意識していて、鈴木宗男擁護、田中眞紀子、外務省、検察批判をしながらも、時代の変化に伴うそれぞれの立場を考えると、ただ事実を受け入れる必要があるのだ、ということが筆者の意図として感じられます。 佐藤さん、鈴木さんが逮捕されるにあたり、西村検事が、 「運が悪かったとしかいえない」と、言っているのが印象的でした。 この本は、純粋に物語としても面白いし,官僚の内部事情を知る上でも面白く、小泉政権成立後の時代の変化を知るのにも役立ちます。名著と宣伝されてるだけあります。 プロフィール
Author:uk
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